「もっと成長しなければ価値がない」「もっと強くならなければ生き残れない」。
自己啓発やノウハウをどれだけ学んでも、こころの渇きが消えず、焦りばかりが募っていく。
「成長しようと背伸びすること」を手放した瞬間、人生は本来の静けさと調和を取り戻します。
特別な誰かになろうとして、背伸びを繰り返す毎日。
「今のじぶんのままではダメなんじゃないか」と、終わりのない競争に疲れてしまっている。
それは、あなたの努力が足りないからではありません。
外側から余計なものを足しすぎて、本来の清らかな魂が息苦しがっているサインです。
魂が本当に求めているのは「成長」ではなく「戻る」こと
人は、病や挫折、生きづらさを抱えながら生きています。
世間の成功哲学は、決まって「目標を高く掲げて成長せよ」と教えます。
知識を増やし、スキルを身につけ、自分を大きく見せることこそが正義だと。
私自身の学んだ教えです。
「一般的な考えでは『成長』と言うけれど、私は『戻る』という言葉を使います。
『人として』の心は、すべての魂が最初から持っている。
まずそこに戻らなければ、人に生まれてきた意味がわかりません」
京セラ創業者の稲盛和夫さんも、その著書の中で「人間として一番大切なことは、人として正しいことを貫くこと」だと説き続けました。
私たちは最初から、まるごとの優しさや知恵を持って生まれてきています。
必要なのは、外側から鎧を買い足すことではありません。
日々の見栄や執着をそっと削ぎ落とし、本来の素直な「人としての心」へ戻っていくことなのです。
「人間」とは、極端に偏らない「間(あいだ)」に立つ存在
白か黒か、勝ちか負けか。
現代社会は、あらゆる出来事を両極端にジャッジして人々を分断します。
「人間」という言葉の深い成り立ちについて、こう学んだことがあります。
「神の意識と、魔の意識。その『間(あいだ)』に肉体を持って立っているから『人間』
人はすべて間に存在しなければならない。それが、空海が説いた『中道(ちゅうどう)』だよ」
「思」は魂の意識(潜在意識)であり、「考」は人間の思考(顕在意識)。
どちらか一方に偏るのではなく、両方のバランスが50対50で調和したとき、こころには完全な平穏が宿ります。
生涯を通じて「ありがとう」の奇跡を伝え続けた小林正観さんも、損得勘定や正しさを振りかざすのではなく、目の前の出来事を淡々と受け入れる中庸の生き方を遺されました。
感情的な孤独に怯えて誰かにすがるのをやめ、自立した静けさの中で「間」を慈しむ。
偏らない場所にすっと立つだけで、他人の言動や世間の風潮に振り回されない、確かな自分軸が定まります。
こころの原点に立ち返るための「推薦図書」
人生の道に迷い、自分を見失いそうになったとき、静かに手元に置いて読み返したい名著をご紹介します。
『生き方 人間として一番大切なこと』(稲盛和夫 著)
混迷の時代を生き抜くための原理原則が、飾らない言葉で綴られた不朽の名著です。
小手先のテクニックではなく、「人間として何が正しいのか」という魂の原点に立ち返らせてくれます。
何のために生き、何のために働くのかという根本的な問いに、深い安らぎと確信を与えてくれる一冊です。
『生き方――人間として一番大切なこと』の詳細をAmazonで見る
『「そ・わ・か」の法則』(小林正観 著)
「掃除・笑い・感謝」の頭文字をとった、人生を軽やかに好転させる実践哲学です。
何かを必死に成し遂げようと力むのではなく、目の前の環境やご縁に「ありがとう」を重ねていく温かさ。
肩の力を抜き、中道に生きる心地よさを教えてくれます。
『運命を拓く――天風瞑想録』(中村天風 著)
どんな過酷な運命の中にあっても、心を積極的に保ち、大いなる命の力と調和する智慧を説いた精神的支柱となる書です。
恐れや不安を手放し、自立した強い魂を取り戻したいと願うすべての人へ、力強い光を灯してくれます。
