誰かのちょっとした言葉に胸がざわつき、一日中その言葉を引きずってしまう。
「どうしてあんな言い方をされなければならないのか」と、頭の中で終わりのない反論を繰り返す。
「言葉の表面に反応すること」を手放した瞬間、人間関係のトゲは静かに消えていく。
この理由を腑に落とすことができたなら、けっこう楽に生きれます。
相手の機嫌や言葉尻に振り回され、家に帰る頃には心も身体もぐったりと疲れ果ててしまう。
「自分がもっと強くなればいいのだ」と本音を飲み込み、人付き合いに疲れてしまっている。
それは、あなたの心が狭いからではありません。
相手の感情をまともに受け止めすぎて、本来の穏やかなこころが削られてしまっているサインです。
「相手も自分と同じはずだ」という決めつけが、怒りを生む
人は、人間関係の摩擦や生きづらさを抱えながら生きています。
誰かにトゲのある言い方をされたとき、私たちは「馬鹿にされた」「攻撃された」と瞬時に反応してしまいます。
私自身の学んだ教えです。
「心は『心遣い』です。相手の言葉に過剰に反応して腹が立つのは、『相手も自分と同じ考えのはずだ』と勝手に決めつけているから。
自分の決めつけは感情とも言える。感情は自分の都合よく考えて、自分で自分を肯定してしまう」
相手が不機嫌だったり、とげとげしい言葉を投げてきたりするのは、相手自身が不安や焦りを抱えて余裕がないからにすぎません。
それなのに、「普通はあんな言い方をしないはずだ」と自分の物差しを当てはめてしまうから、強い怒りが湧き上がってきます。
他人の言動を思い通りにコントロールすることはできません。
大切なのは、相手の言葉を耳の表面だけで受け止めるのをやめ、「あの人も今、余裕がないのだな」と一歩引いて眺めること。
だけど、それを毎日できないのが私たちです。
だからこそ、「切りかえ」からです。
言葉を「心」で聞くには、少しだけ練習が必要になる
相手の言葉に動揺しないためには、まず自分自身のこころを見つめる静けさが必要です。
「心」と「言葉」の受け止め方について、こう学んだことがあります。
「言葉を耳の表面だけで聞くのではなく、相手の背景を加味して『心で聞く』には練習が必要です。
不足を指摘されて『批判された』と反発してしまうのは、相手を自分と同じ踊り場にいると錯覚しているから。
心遣いとは『自分がやってやる』という傲慢な感情ではなく、まず自分の心を省みること」
心理学者のアルフレッド・アドラーも、『課題の分離』という考え方の中で
「相手がどういう態度を取るかは相手の課題であり、自分が背負い込む必要はない」と説きました。
誰かの不機嫌は、その人の心の問題です。
あなたがわざわざ拾い上げて、じぶんの心まで濁らせる必要はありません。
相手と自分の間に静かな「間(ま)」を置き、言葉の奥にある相手の不器用さをそっと受け流すこと。
その静かな心遣いの視点に立つだけで、人間関係の摩擦は驚くほど小さくなっていきます。
人間関係のトゲを抜くための参考図書
他人の言動に心が揺れたとき、静かに手元に置いて読み返したい名著をご紹介します。
『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健 著)
アドラー心理学の核心である「課題の分離」を、哲人と青年の対話形式でわかりやすく解き明かした一冊です。
他人の感情や期待を背負い込むのをやめ、「相手を変えることはできないが、自分の受け止め方は今この瞬間から変えられる」
という静かな勇気を与えてくれます。
『多くの人が、この本で変わった。』(津留晃一 著)
目の前の出来事や人間関係の摩擦が、自分の内なる意識とどう関わっているのかを優しく紐解いた名著です。
相手を正そうと戦うのをやめ、自分自身の思い込みや決めつけをそっと手放すことで、世界がどれほど穏やかに変わるかを教えてくれます。
「そ・わ・か」の法則(小林正観 著)
人間関係の摩擦やストレスを、執着を手放した「感謝と受容」の視点からふっと軽くしてくれる実践書です。
自分の正しさを振りかざすのではなく、目の前のご縁を淡々と受け入れて生きる心地よさに立ち返らせてくれます。